◆原因
股関節痛の原因として変形性股関節症とグロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)というものがあります。
まず変形性股関節症ですが、一次性変形性股関節症と二次性変形性股関節症があり、一次性は関節を保護している関節軟骨がすり減ることで、股関節を動かすたびに、骨と骨がぶつかって痛みが起こり、骨が変形しておきます。
二次性は、生まれつき股関節が脱臼していたり、股関節の発育が悪いことが原因で発症します。しかし、変形性股関節症は一次性のものがほとんどで、原因は不明ですが、生活上で股関節に負担を多くかけすぎていることから起こるとされています。
次にグロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)は、スポーツをしている最中に足の付根や股関節に痛みを感じるものです。恥骨に過度な負荷がかかることで鼠径部(足の付根の前側)に痛みが出ます。痛みの特徴としては、走ったり、ボールを蹴る動作、靴下を履く時などの股関節を曲げたりする動作などで痛みが出ることが多いです。
股関節についている筋肉や靭帯は強力なので、簡単にバランスを悪くしたり過度に負担がかかりすぎてしまいます。また、足は生活していると必ず使うので、痛みが出た際に治りにくかったり再発しやすい傾向がありますので、しっかりとケアしていくことが大事になります。
◆症状
日常生活においては股関節が柔らかい人は、普段の動きがスムーズで身体に負担は掛かりにくいですが、股関節が硬いと身体を動かそうとしても、股関節の強力な筋肉が使えず日々余計な負担が掛かります。また、本来の身体の動きではないため変な癖を付けてしまう場合があります。
身体の動きで変な癖をつけてしまうと、若い方ですと『O脚になる』や高齢者の方であれば『膝が変形する』、『股関節が変形する』など様々な症状となって現われます。つまり、悪い状態で無理に身体を動かそうとすると各関節などに負担が生じ怪我の元となるのです。
《股関節が動かないことが原因で起こる症状》
①変形性股関節症
②変形性膝関節症
③猫背になる
④転びやすくなる
⑤太りやすく、痩せにくい身体になる
⑥疲れやすく、風邪を引きやすい
⑦O脚、X脚になる
⑧むくみや下半身太りの原因になる
⑨腰痛の原因になる
これはまだ一部なのですが、このように股関節が動かないとデメリットが沢山あります。逆を言えば、股関節を動くようにするだけで、これらのデメリットを回避することができる上に、痩せやすくなり、O脚が改善されるなど、体が大きく変わっていきます。まずはご自身で股関節に詰まりがなくしっかり動いているかを確認してみて下さい。
◆股関節への施術
骨は積木のようなものです。下が右にずれれば上にあるものは真ん中に重心を保つために左に必ず歪みます。股関節の骨がいい位置にない場合、必ず下の足首の所、上の肩甲骨の所に歪みが出ています。つまり他が歪んでしまうから股関節も歪んでしまうのです。その歪みを整えて股関節を適切な場所に持っていき症状の緩和を行っていきます。
また筋膜の視点からは、横隔膜をしっかり活発にできるようにアプローチを見るケースが多いように思われます。横隔膜が動かないとその下にある内臓も動きにくくなりそしてそれは骨盤にも影響を及ぼします。骨盤と太腿の骨で股関節が構成されるのですが、その骨盤に内臓が負担をかけると、骨や股関節の軸にもなる腸腰筋に負担をかけて股関節を悪くしてるのです。特に最近では運動不足で息を大きくすることが減っている社会背景も股関節痛には大きく関わっているとも言えます。